アメリカのトランプ政権が、オバマ政権が定めた二酸化炭素(CO2)削減対策の「クリーンパワープラン」を撤廃しました。
これにより、アメリカの地球温暖化対策は大きく後退するのではないかと思われますが、
トランプ大統領にはどのような狙いがあるのでしょうか。
環境問題に関しては、1972年に発表された「成長の限界」という論文が知られています。
このまま経済成長を続けていくと、人口増加、食料不足、資源枯渇、環境汚染などの様々な要素から、
人類社会は、今後100年以内に制御不能な状態に陥る可能性を述べたものでした。
当初は、しかし当時はあまり真剣には取り上げられることはなかったようです。
そんなことは起こらないと思っていた人が多かったようです。
しかし、オゾン層の破壊や酸性雨、地球温暖化など環境問題が持ち上がるにつれて、この論文は再注目されるようになり、
世界各国のようやく環境保護を意識し取り組み始め現在に至ります。
そのような動きの中、気候変動対策の国際的合意である「パリ協定」から離脱することをトランプ政権は表明していました。
正式な離脱は2020年になるようですが、今回の「クリーンパワープラン」の撤廃で、アメリカの温暖化対策は後退しそうです。
さて、この気候変動ですが、このまま進むと地球上に人が住みやすい地域は、
非常に少なくなるのではないかと予想されています。
例えば、今の日本を考えた場合でも、以前と比べ春や秋の時期が短くなっている気がしますし、
夏はどんどん熱くなっているように思います。
このように、日本は四季が無くなり、夏の気温はさらに上昇し、夏冬の寒暖差も激しくなるように予想されます。
これが現実となれば、人間は住めないことはもちろん、地球上の動植物にも影響を与えるでしょう。
もちろん、人間の食糧事情にも大きな影響を与えることが予想されます。
そのため、なんとか温暖化を回避しようと国際的な取り組みがなされていたのです。
この状況でトランプ政権はこの取り決めである「パリ協定」の離脱を表明し、
この度、米国でのCO2削減の規制を事実上緩和することを決めました。
もちろん、トランプ大統領は中間選挙を控え、産業界の支持を取り付けたい狙いもあるのでしょう。
だが、地球温暖化対策についてはどのように考えているのでしょうか。
この地球温暖化に関しては、別の未来予測もあります。
科学技術の進化による対策が間に合うと考えている学者もいます。
この数十年を見ていると実感するように、科学技術は指数関数的に進歩し、
10年先は一体どうなっているのか見当もつかないほどです。
実際2045年には人工知能が人類を超えるといわれているほどです。
この予測もできない技術の進歩が、地球環境の問題を解決してくれるのではないかというのです。
これに関しても懸念がないわけではありません。
技術の進歩の前に世界経済が破綻し、科学技術の開発が潰えてしまうのではないかというものや、
そもそも、科学技術の進歩が間に合わず地球環境が崩壊してしまうのが先になってしまうのではないかというものです。
もしかしたらトランプ大統領は、この科学技術による克服の考えを信じているのかもしれません。
今回の規制緩和で生み出されたエネルギーでさらなる技術の発展を促す狙いもあるのではないかと思いました。