AIによるデータ融資が広がっているといいます。
これは、AIが個人や企業のデータを分析し、迅速に融資が受けられるものだそうです。
通販サイトや予約サイトなどを運営するIT企業が先行していて、
大手銀行は顧客を奪われることに危機感を抱き始め、データ融資に参入し始めているといいます。
しかし、大手銀行がIT企業のように思うような結果を得るためには工夫が必要だと思われます。
IT企業がデータ融資で先行していることには理由があります。
たとえば、ネット販売サイトを運営する企業であれば、自社を使って販売している企業や個人に関しては、
その売り上げ、顧客数や営業年数など販売実績などのデータを把握しています。
利用者から融資の申し込みがあれば、こうしたデータをAIが瞬時に分析して、
融資可能かどうかの結果を出せるようになっているのです。
実際、申し込みから数秒後に口座に入金がされるようです。
他にも予約サイトを運営会社であれば、サイトを利用するホテルや美容院などの予約状況から、収支状況を分析したり、
会計ソフトの開発企業は自社ソフトを利用する企業のデータを得て審査をしているようです。
また、少額から無担保で簡易に申し込めることも魅力のようです。
これも、融資申込者の実際の日々の営業状況を確認できるIT企業によるデータ融資だからこそできることのように思います。
無担保での融資についても、自社グループの販売サイトを利用している企業や個人についてならば、
安定した収益を上げているかどうかはすぐにわかるので、リスクも少なく融資ができるのでしょう。
また、もし返済がされないようなことがあった時も、迅速に対応できるのではないでしょうか。
たとえばこれは予想ですが、返済が滞った場合は、
それ以降の申込者の売り上げ金を差し押さえたりするような仕組みができているかもしれないし、
約款などでそうした取り決めを定めることも可能なのではないかと思います。
上記のようなことは、融資申込者について大量のデータを取得することができるIT企業だからこそ可能になります。
これを従来の大手銀行が可能にすることは難しいと思います。
大手銀行の取り組みの一つに、融資申込者に学歴や年収などの質問に答えることによって、
AIが信用を分析するものがあります。
これは、申込者の自己申告のみによるものであるとしたら、
銀行としては返済に関してリスクが高いものとなる懸念があります。
他の取り組みとして、レジの売り上げデータを集めて分析する仕組みの開発に取り組む大手銀行もあるようです。
こちらは、営業状況の実態を知ることができるため、
上記の質問に答える自己申告による融資よりはリスクが低いと思われます。
しかしながら、データ融資についてはネット販売サイトなどを運営するIT企業はすでに大量のデータを蓄積していて、
利用者も増えているようです。
大手銀行はこれからAIによるデータ融資に参入するとしても、
先行するIT企業に追いつくことは難しいのではないかと思います。