韓国での美容整形を受診する日本人が急増していて、昨年は6000人でこれは9年前の20倍になるといいます。
Kポップ人気で第3次韓流ブームが起きていることや、距離の近さや料金の安さが背景とみられるようです。
しかし、たるみや視力低下など術後にトラブルを抱えるケースも少なくないといいます。
今回は美容整形について考えてみたいと思います。
美容整形について考えたい問題は、取り返しのつかないことがあげられると思います。
美容整形をした後で、やっぱりやめておけばよかったと思っても、元の顔に戻すことはできません。
元の顔に近づける再手術は可能かもしれませんが、
完全に元には戻らず違和感は残るでしょうし、再手術のリスクも生じるでしょう。
また、美容整形については、手術のリスクの問題もありますが、
それ以外にも、ホームページなどにも問題があるケースがあります。
例えば、日本国内でも、医療法で認められていない不適切な表示がされていることが多いようです。
日本では未承認の外国製の機器の使用を紹介している際に、未承認であることに触れないで載せているものもあります。
未承認である場合は何か問題があることも考えられます。
何も知らないで見てしまうと、何か最先端の機器のように思ったり、
より良い効果があるのではと思ってしまうのではないでしょうか。
それに、病院のホームページだからということで、通常の場合よりも信用してしまうでしょう。
もちろん、美容整形をするのですから、真剣に考え抜いて手術に臨んでいると思います。
しかしながら、どんなに悩んで考えて決断したことであっても、失敗や後悔の思いが生じることはあります。
韓国での美容整形の受診者は10代後半から20代の若者が多いといいます。
人気のあるKポップのアイドルの顔に憧れて、それに近づきたくて手術をすることも多いようです。
このようなケースの場合、将来において後悔をする人も出てくるのではないでしょうか。
経験の少ない若年者はその判断力などが未熟である場合が多く、
本人は真剣に考えて決めたつもりであっても、それが誤りである可能性も高いと考えられます。
本人は自覚がなくてもファッション感覚が大きな理由での美容整形の場合は、
時間がたった時に自分の趣味嗜好が変わったときに、手術をしなければよかったと思うかもしれません。
もちろん、そうしたことも含めて、本人の選択であり幸福の追求であるので、否定することはできません。
しかし、いまの整形の技術水準では、元に戻すことができませんし、術後は経過観察のため定期的な通院も必要です。
このような問題が技術の進歩で克服されない限り、
少しでも後悔する可能性のある場合や、憧れた顔になるためだけの美容整形には慎重になったほうがいいのではと思います。
では、美容整形をしてもいいと思われるケースはどのような場合でしょうか。
たとえば、日常生活に支障をきたすほどの著しいコンプレックスを抱えている場合などは、
美容整形をしてもいいのではないかと思います。
実際、引きこもってしまっていたり、人と向き合うことができず、
人としてまったく自信が持てなくなってしまっている原因が外見によっているケースの場合に、
美容整形によって見違えるほど前向きになり幸福に暮らせるようになった例も聞きます。
美容整形によって、深刻な精神的な苦痛が取り除かれるのであれば、
それは心の治療にもつながり、医療行為としてあるべき姿と言えるのではないでしょうか。
このように考えてみると、良きにつけ悪しきにつけ、
美容医療を受診するに際しては、十分すぎるほどの考慮が必要のように思われます。