中央省庁が障害者雇用を水増ししていたことが分かり、厚生労働省が調査しているようです。
実際には法定雇用率を下回る省庁もありそうです。
障害者雇用促進法は、国、自治体、企業に法定雇用率を設定しています。
対象は、身体障碍者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っている人か、医師の診断書を持っている人です。
国の法定雇用率は2.5%で民間企業(従業員45人超)の2.2%よりも高く設定されています。
率先して障害者雇用を進める姿勢を示すためです。
ところが、比較的症状が軽く手帳や診断書を所持していない対象外の職員も数に入れ水増しをしていたのです。
これは、厚労省を含む複数の省庁で行われていたということです。
昨年6月時点で国の33行政機関の平均雇用率は2.49%だったというが、
対象外の人数を除いた実際の雇用率は、大きく減少し、1%未満になる省庁も出てくるとみられています。
中央省庁は長時間労働が蔓延しているなどの理由で採用が進まなかったため、水増しが行われていたようです。
民間企業については、国は法定雇用率を満たさなかった企業にペナルティを課しています。
1人分につき毎月5万円の納付金を徴収し、場合によっては企業名を公表することもあります。
これに対し、省庁は雇用率を公表しているだけです。
このような状況の中、省庁が水増しをしていたのであれば、批判されても仕方がないでしょう。
障害者雇用に積極的な姿勢を示し社会の模範となることを目指したが、
目標を達成できなかったことを隠したかったのでしょうか。
しかし、不正な水増しという方法で隠してしまったため、問題が大きくなってしまったようです。
最初から隠さずに障害者雇用がうまく進まないことを認めていたほうが結果的にはよかったのではないかと思います。
障害者雇用促進法の目的を以下に紹介します。
障害者の雇用の促進のための措置、
雇用において障害者と障害者でない者との均等な機会、待遇の確保、障害者が能力を有効に発揮するための措置、
職業リハビリテーションの措置や、
障害者が能力に合った職業に就くこと等を通じてその職業生活において自立することを促進するための措置を講じ、
障害者の職業の安定を図ることを目的としています。
この目的に向けて、不正をせずに、できるところから着実に進めていってほしいと思います。