政府が外国人労働者の受け入れ拡大に向け、新制度の導入を目指しているといいます。
これまでは、医師や大学教授、弁護士など高度な人材専門人材に限って認めていた在留資格を、
単純労働を含む分野にも拡大するようです。
出入国管理や在留管理のために「出入国在留管理庁」を設置することも改正案に盛り込まれています。
今回の単純労働への在留資格が拡大され、2種類の資格が採用されます。
「特定技能1号」と「特定技能2号」です。
「特定技能1号」は最長5年の在留ができます。ただし、家族の帯同は認められないようです。
「特定技能1号」が認められる条件としては、3年間の技能実習を受けるか、日本語と技能の試験に合格することが求められます。
「特定技能2号」は期限が定められず、事実上の永住が認められるものになり、家族の帯同も認められます。
ただし、定期的に在留資格が審査されるようです。
「特定技能2号」は「特定技能1号」よりも熟練した技能が求められ、さらに難しい試験に合格することが条件になります。
在留が認められるのは人手不足が認められる分野とされていて、
政府が人手不足が解消されたと認めた判断した場合は、労働者の受け入れは中止するといいます。
単純労働の分野への外国人労働者の受け入れの背景には、少子高齢化や後継者難などによる人手不足があります。
たしかに現状では、日本人だけでは労働力の確保が難しくなってきているため、
必要に応じて外国人労働者を受け入れることは現実的な方法だと考えられます。
将来的には、科学技術の進歩によって、人手不足が問題となっている分野を含め様々な分野で、
人工知能による自動化や機械化がなされ、労働者不足の問題は解決すると思われます。
ただ、その科学技術の進歩を待っている余裕はおそらくないと考えられます。
そのため、今回の改正案はつなぎとしての外国人労働者の受け入れなのではないでしょうか。
今のところ、日本では外国からの移民の受け入れに関しては批判的な姿勢のように見受けられます。
今回の改正案には、実質的な永住といえる資格が盛り込まれており、
移民と何が違うのだろうかという疑問が浮かぶと思います。
政府は定期的な審査があることが移民政策とは違うと主張しています。
おそらく政府としては、数十年単位での技術の進歩による人工知能を含む機械的な労働力に期待していて、
それまでの代替的な労働力として外国人労働者をとらえているのではないでしょうか。
そのために、人手不足が解消された分野は中止する旨や、在留資格の定期的な審査をあげているのだと思います。
人手不足が解消されるということには、外国人労働者による補充はもちろん、
将来的な機械的な労働力の補充も考えていると思います。
そして、技術が進歩した数十年後に機会による労働力が確保できたら、
外国人労働者の受け入れをほぼ中止することを考えているのではないでしょうか。
そうすれば、残った事実上の永住を認められた外国人労働者が、
時の経過によって死亡などにより減少していけば、外国人の割合は減っていくことになります。
今後の半世紀から1世紀くらいを視野に入れた長い目で考えた場合、上記のような狙いも見えてくると思います。
もちろん、今後、移民に対する世論も変わってくる可能性もあり、
今のような批判的な姿勢が薄れる可能性も否定できませんが、
そうなるとは限らないので、上記のような改正案を出したのだと思います。