韓国ソウルで、S級と呼ばれる精巧な偽ブランド品を販売していたグループが摘発された、と報じられました。
顧客の多くは日本人だったといいます。
韓国では偽ブランド品は質の高い順に、S、A、B、C級に分類されます。
簡単に説明しますと、B、C級は素人でも偽物とわかり、A級は専門家にはわかるが、
S級となると専門家でも判別が難しくなるほど精巧なものということになります。
これが本物の10分の1以下の値段で販売されているといいます。
日本人の間で、偽物と気づかれない、と噂が広がっていたということです。
自分用に買う女性、プレゼント用に購入する男性が多く、このような日本人観光客を狙い、街中で声をかけているとのことです。
日本でも、偽ブランドのようなものは見かけます。
よく似た別物とわかっていても、これはこれでいい感じだからと購入している人もいるでしょう。
だが、偽ブランド品を海外から持ち帰ることは関税法違反なのです。
偽物と知らなくても、発覚すれば税関で没収され、転売など目的が悪質な場合は刑事告発もされます。
気軽な気持ちで購入している人ほど、偽ブランド品を持ち込む行為が不法行為であることを知らずにいるのではないでしょうか。
罪悪感なく荷物に入れて持ち帰る場合が多いといいます。
おそらく、いまだに日本人のブランド信仰が根強く浸透していることが考えられます。
以前は、日本人の欧米コンプレックスは大きく、海外ブランドや外車がもてはやされていました。
しかし現在の若い世代は、クールジャパン、などの海外の評価が当たり前の中に育ち、
欧米コンプレックスはそれほどないように思えます。
ただ、その親世代はブランド信仰が強かったことが考えられ、
やはり子供は親の価値観の影響を受ける部分があるのではないでしょうか。
そのため、欧米コンプレックスは薄れても、ブランド信仰は変わらず残っているのではないかと考えられます。
このような背景から、日本人はブランドを好む傾向が強いため、顧客になりやすいのだと思えます。
ソウル市は、偽ブランド販売は品格を落とす行為であり、見つけたら通報してほしいと、日本人観光客に訴えています。
それは、裏を返せば、偽ブランドを購入することは日本人の品格を落とす行為であるということです。
関税法違反だからというだけでなく、品格を落とさないためにも、偽ブランドを拒否することが求められます。