2018年上半期の振り込め事件の少年摘発が過去最多の368人であると警察庁が明らかにしました。
受け子・出し子がその7割を占めるといいます。
その原因や対策について考えてみます。
警察庁によると振り込め事件で摘発された少年は2009年の33人で2014年には300人を超えたといいます。
摘発者全体に占める割合は、2011年は16%だったが13年に20%を超え、2018年上半期は約29%を占めました。
振り込め事件に関わるきっかけは、地元の先輩から誘われることが多く、SNSが勧誘の場とされることもあるといいます。
「現金と知らずに受け取ったと言えば重罪にならない」と教えられたり、
「荷物を受け取りに行けば、報酬を払う」という文言で気楽で簡単な仕事のように装うのです。
少年の割合が増えるということは、成人の割合が減っているということです。
振り込め事件については、新聞やテレビ、金融機関などで注意喚起が進み、
成人は犯罪の手口やそれに関わるリスクを認識し、関わるものが減少しているのでしょう。
しかし、成人と比較し少年は思慮分別が未熟で、経験や知識の蓄積が十分とは言えないため、
言葉巧みに騙されたり、軽い気持ちで関わってしまうのではないでしょうか。
また日本人の美徳でもある協調の精神が、望ましくない働きをしている可能性も考えられます。
「空気を読む」という言葉があります。
この協調し「空気を読む」ことは善いことに働かせるべき意識です。
だが時に、望ましくない同調圧力となり、組織の不祥事、会社・学校でのいじめ等、それが大勢となっているとき、
その現状に逆らえず流されてしまうことがあるように思えます。
善くない状態を善い状態に変える努力をすることが望ましいことは理解しているのだが、
その場の出来上がってしまっている状態を壊すことに気後れや気まずさを覚えるのです。
大人でもこのようなことが、ままあるのですから、少年の場合はなおさらなのではないでしょうか。
友達に誘われると断れなくなってしまったり、一度、関わると抜け出せなくなってしまうのでしょう。
SNSが発達した現代の少年は、学校外でもスマートホンを通し常時つながっているため、
仲間外れへの恐怖や、他者からの評価への過敏な意識があるといいます。
このことも、悪影響を与えてはいないでしょうか。
以上のことが社会的要因として考えられるように思います。