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振り込め事件の少年摘発の増加について、その原因として社会環境だけでなく、
脳科学の分野からも分かることや、対策について考えてみたいと思います。

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脳科学からも分かること

人間の脳の状態が成長中の少年と成人とは異なることも分かっています。

 

『サイコパス』(中野信子著)では、『サイコパス 冷淡な脳』(ジェームズ・ブレア、デレク・ミッチェル、カリナ・ブレアの共著)による、
人間は17歳が反社会的な行動のピークで、20歳以降に急速に減少するという内容が紹介されています。

 

前頭前皮質と扁桃体の結びつきが情動のブレーキとなるのですが、こ
の適切な結びつきに関して重要な働きをする「ミエリン鞘」の形成が10代では不完全なのだといいます。

 

このため、少年は成人と比べ、刺激に惹きつけられやすいうえ、
良心で反社会的衝動を抑えることが難しいと考えられるということです。

 

このように、環境など社会的要因以外にも、生物として脳の仕組みの上からも、
少年は成人と比べ犯罪に関わってしまいやすい傾向があるといえそうです。

 

どのような対策ができるか

警視庁は、施設に入っている事件に関わった少年のインタビュー映像を、中学や高校、専門学校で上映しています。
同世代の証言は心に響くだろうと考えたのです。

 

上映すると生徒たちは真剣な表情で見入るといいます。
実際に事件に関わってしまった同世代の嘘偽りない言葉には、真実味がこもり、感情移入もしやすいでしょう。

 

上記のような少年に対する効果的な取り組みをさらに見つけていくことが求められます。

 

さらに長期的大局的には、大人が意識をして、
協調の精神や「空気を読む」意識を善いことだけに働かせ、善くないことに対しては働かせないようにして、
社会全体のモラルを向上させていくことが大事でありましょう。

 

少年は社会を、大人を見て育つのであるから、善い行動を見せられるようでなければいけないと思います。
昨今、多くの不祥事が目立ちますが、ただその組織だけのものでなく、
社会全体のものとして省みていくべき問題ではないでしょうか。

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