アメリカが、7日、イランへの経済制裁を再開しました。
これは第一弾で、11月5日に、合意前の制裁にまで戻すと報じられました。
今回、イランの問題とアメリカの離脱について、改めて触れてみたいと思います。
この問題は2002年にイランである開発施設が見つかったことから発展しました。
ここでは通常の原子力発電には必要のないレベルの開発が行われていて、
これをきっかけに、欧米による経済制裁が行われることになりました。
その後、2015年に合意が締結され、イランは開発活動の長期間にわたる制限や国内軍事施設の条件付きの査察を受け入れ、
その代わりに欧米は対イランの経済制裁を解除しました。
トランプ大統領は、公約でこの合意の離脱を掲げていました。
合意には重大な欠陥があるとしていました。
移動ロケットの開発の規制をしていないこと、問題となった危険な開発の制限に期限があることや、組織的犯罪を支援していることです。
これらの欠陥が離脱の理由とされています。
では、なぜこの時期の離脱なのでしょうか。
11月のアメリカでの中間選挙に向けてのアピールであることが考えられます。
中間選挙とは、大統領選の中間の年に行われる連邦議会選や州知事選などのことで、現職大統領の「信任投票」と位置付けられているといいます。
公約を守ることで、トランプ大統領支持者をつなぎ止め、民主党に票が流れることを阻止する狙いがあるようです。
アメリカの同盟国であるサウジアラビアやイスラエルの意向も影響を与えているでしょう。
両国はもともと、この合意に反対していたので、今回の離脱を歓迎しています。
このことによって、アメリカ国内のイスラエル寄りのユダヤ層の支持を確かなものにしたいという狙いも見えるといいます。
ユダヤ層の支持はアメリカの選挙において大きな影響力があると言われている。
以上が、現在アメリカの合意離脱の理由とされている主なものです。
実際に経済制裁が一部再開されたが、今後、中東の情勢が複雑不透明になることが懸念されます。
アメリカ大統領による、実績作りのための国際社会への干渉はよく見られますが、
いたずらに世界をかき回すだけの結果にならないことを祈りたいです。